製造業変圧器設計 販売
「環境整備と人でライバルに差をつけるしかない」 環境整備を中心とした PDCA のつながりという視点と、 ベクトルを合わせる教育。

代表取締役社長 久保寬一樣
きれいな工場はきれいな製品を作ることが出来る、これは間違いない。材料の有る場所が分からない、ゴミも落ちている、そんな会社では品質の良いものは作れない。簡単なことを続けさせていくのは難しいけれど、簡単なことを続けることで会社に力がつきました。

 

 

 


キャビネットに各自の顔写真を貼り、ファイルなどの置場所を決めて管理。顔写真には携帯電話の番号を大きく表示し、すぐに連絡が取れるようになっている

現場での情報共有は、色で分けた付箋を使い、誰が見てもひと目で状況が解るようになっている

左、ウレタンを工具の形にくり抜き管理する形跡管理。右、形跡管理の最新版は赤いウレタンで工具の型を作り、青いウレタンの上へ配置する方法に進化。工具が全て元に戻っていなければ出荷しないというルールを徹底し品質管理している

 

つながりのあるPDCAサイクルと環境整備

3年半ほど独自に環境整備に取組んでいた期間があった株式会社NISSYO(旧社名:日昭工業株式会社)。ある社長に「個々の部品はできているが、その先が全然つながっていない」と指摘された。「一生懸命に実行計画を作り続けて、会社全体のPDCAサイクルを意識して考えたり、動いたりするようになったのは最近のこと。このつながりが無くて環境整備をやっていた期間は、ただ掃除だけ一生懸命やっていたのかなと思います。つながりが無いまま勝手にやってもそれを継続するのは非常に大変なこと。社員が日々やるのは実行計画ですよ。社員が日々やらないと会社全体が回らない。評価制度も取り入れて、環境整備や実行計画をやれば個人にも会社にも返ってくる、というつながりを説明しています。」
久保社長が簡単なことを続けさせるために行っているのが、『言われたことを言われたとおりにやる』、『全体のベクトルが同じ方向を向く』ための教育だ。ベクトルが同じ方向を向いているのがよく分かる事例が、NISSYOの工場長、副工場長の決め方だ。工場長は幹部が担当し、副工場長はその他の社員が担当となり、3週間サイクルで入替えながら工場を回す仕組みになっている。新入社員が副工場長になる場合もあるが、週に1度全社員で仕事の状況やお客様情報を共有する場を設けているため、誰が工場長、副工場長になっても現場が回るようになっているのだ。

毎月の改善は社内BM後に投票で決定。1位には100円玉70枚で7000円の賞金が授与される、名づけて「現玉大作戦」。年間で成績上位の者には、社長賞という褒賞制度がある。「頑張った人を評価します。」と久保社長

 

現場の声

環境整備は掃除ではない

入社と同時に環境整備が始まったので、すんなり始められたと思います。内定者研修、社員研修、ある企業のセミナーで学んで、環境整備が掃除ではないことも分かってきました。仕事の予定を立てるのも、逆算で順番を決めて行えばバタバタせずに作業を進めることができるということも環境整備を通じて学んだことです。

環境整備で現場をもっと良くしたい

弊社は歴史が長く、職人気質な面があり、だれでも見て分かるように技術を教える仕組みが弱かったのですが、現在はマニュアルや画像を使い見て解るようにしています。環境整備をすることで、全員が働き易くなり、仕事の効率が上がって会社の利益につながるんだと考えられるようになりました。製造現場では、自分の行動でどれだけ利益を上げられるかを突き詰めていかなければいけないので、環境整備が大切だと思います。仕事をし易くする環境を整えて備え、現場をもっと良くしたいなと思います。