しい中で一番多くの事を行い最大の効果を得たいなら、しっかりと優先順位を定めて時間を用いる事が大切です。
経営者にとって欠かす事の出来ない「優先順位の定め方」と、それに至る正しい思考パターンを知ることで、経営自体が大きく変わることを理解できるはずです。

 

優先順位を定める重要性は?

時間の使い方は、経営者にとって常に頭を悩ませる問題の一つです。
やるべきことがあまりにも多すぎて、本当に自分がしたいことができないと感じている経営者も多くいます。
そうした悩みは必然のものですが、裏を返せば優先順位を正しく定めていないことが原因の一つです。
自分ですべてを行う事はできませんし、「時間は有限の資産」であることを考えると、時間をどのように使うかが、経営者としての成功のカギを握るキーポイントの一つであることは間違いありません。
また、社長である経営者に時間の余裕がないと、社員を顧みる余裕がなくなります。そうなると会社の統一性や団結力が損なわれますし、社員を訓練する余裕もなくなります。
ですから重要性を見極めて優先順位の高い仕事に「フォーカスする」ことは、経営者にとって極めて重要な仕事なのです。

では、どうすれば正しく仕事の優先順位を定めることができるのかを考えてみてください。
それを一言で表現するならば、「やらない仕事を明確にする」ことです。
大切な仕事をまず考えてみただけでも、優先順位の高いものが多く出てくるはずです。その中で優先順位をさらに決めていく事は容易ではありませんし、無駄に時間がかかるだけです。
ではどうするかというと、「やらない仕事を定める」のです。つまり、優先順位の高い仕事のリストの数を減らす事こそが、優先順位を定める第一歩という事です。

なぜ「やらない仕事を定める」ことが重要なのかを一つの例を通して考えてみてください。
カメラで写真を撮る時には、対象にフォーカスしてピントを合わせます。そうする事で不要なものはぼやけて、対象はくっきりと写ります。
同じようにやらない仕事を定める事で、対象(=本当に大事な仕事)にピントを合わせる事ができるわけです。そして本当に大事な仕事はハッキリと鮮明になるので、それに注意を集中することができます。そうする事でさらに大切な仕事から成果を得やすくなるわけです。
つまり優先順位を定める事は、大事な仕事から成果を得やすくなり、会社の利益につながる重要事項だという事です。

正しい優先順位の決め方は?

優先順位を定める重要性と基本的な考え方は先ほど考えた通りです。「やらない仕事を定める」なら必然的にやるべき仕事が明確になってきます。
では何が「やらない仕事」なのかと言えば、「成果の上がらない仕事」です。業務の上で成果の上がらない仕事は、プライオリティの低いものであることは誰もが同意できるはずです。生産性向上を考えると、この点をしっかりと見定めることが時間の使い方において重要です。
ただしこの点で注意しなければならないのは、短期的な結果だけでは判断できないものもあるという事です。
ですから、成果を考える際には、「意義」や「目的」も考えなけれなばりません。経営理念やビジョンと合致した明確に意義のある仕事であれば、現時点では成果がでていないとしても継続するだけの意味があります。
他にも社員の成長に明確に寄与するものや、達成感や成功体験を味わう点で意義があるなら、「成果の上がる仕事」と判断することができます。

そのようにして優先順位を定めたなら、次に考えるべきなのは、やるべき仕事に適切な時間を配分することです。
この時に大切にしなければならないのは、優先順位の高い仕事から時間を配分するのはもちろんですが、一つ一つの仕事の終わる時間も定めておくことです。
最初の内はなかなか仕事が完了しないことがあります。しかしそれでも「その時間の中でどうすれば完了できるか」と考えて、効率的な時間の使い方を学ぶことが大切なのです。
時間をかけても完了しない仕事は、「時間効率の悪い仕事」ですので、効率が上がるように工夫しなければ「成果の上がりにくい仕事」となり、優先順位は低くなるのです。
また、優先順位の高い仕事は、チームプレーでこなすという事も心がけることができます。
経営は個人種目のスポーツではなく、野球のようにチームプレーで行うものです。社員を上手に使えば、優先順位の高い仕事をより効率よく行う事ができます。

限られた時間をいかに優先順位の高い(=成果の上がる)仕事で埋める事ができるかが、会社の利益につながっていきます。
行わない事が増えれば、行うべきことにより注力することができます。
意義ある仕事に集中できれば、仕事から喜びや満足感が得られます。
時間に余裕が出れば気持ちにも余裕が出て、円滑なコミュニケーションを社員と取ることも可能になってきます。
ですから経営者にとっても社員にとってもメリットがあるのが、「やらない事を決めて」、やるべき価値ある事の優先順位を定める事なのです。
一日の活動を全て洗い出して、本当に成果の上がるものかどうかを疑ってみてください。社員に割り振れる仕事があるなら割り振ってチームプレーを心がける事です。
「頑張っても成果がでない」のは、優先順位を正しく定めていないというケースに起因することが多いのです。ですから優先順位を定める事で、経営は劇的にプラスの方向へ変わるでしょう。