入社員が会社へとスムーズにとけこめるかどうかは、先輩との関係が大きく影響しています。先輩と良好な関係を築ければ、仕事や人間関係の悩みをすぐ打ち明けてくれるでしょう。
また、先輩のスキルや経験を間近で伝授してもらえるので、順調に成長を遂げられます。こうした先輩・後輩関係のメリットを利用した社員教育が「メンター制度」です。メンターとは、新入社員の面倒を見る相談役のことです。メンターが一定期間、新入社員につきっきりで指導を行い、スキルのフォローやメンタルケアをしていきます。

 

社員教育の事例1.コミュニケーション重視のメンター制度

メンター制度の利点は、「新入社員の不安を払拭できる」点にあります。新入社員は、新しい環境で誰に相談や質問をしていいのかわからない状態です。
しかし、メンターがいれば迷わずに相談をできるので、人間関係の不安が軽減されます。また、「コミュニケーションの円滑化」も無視できない要素です。
メンター制度では、先輩社員が新入社員とほかの同僚の間に入ってくれます。
新入社員が日常的に関わることのない同僚の名前を覚えたり、役職を知ったりするために便利です。
新入社員からすると物怖じしてしまう、年の離れた上司と話をするときにも、メンターがサポートしてくれるのです。

能力を正当に評価してもらえる職場

最新テクノロジーを利用した社員教育として「eラーニング」も注目されるようになってきました。
eラーニングとは、「electronic learning(電子学習)」という英語を語源にしている言葉です。
デジタル機器を使って、効率的に学習を行うことが目的です。ビジネスの世界では、新人教育やリーダー研修などで用いられています。
eラーニングの手法はさまざまであり、テレビ電話で講師と社員をつないだり、講師の動画を社員に視聴させたりするなどの具体例が挙げられます。

eラーニングが浸透したのは、コスト削減につながる技術だからです。これまでの社員教育では、会場のレンタル費から教材代、講師へのギャランティなど、莫大な経費が発生していました。
支店の社員を一カ所に集めるだけでも交通費や宿泊費が馬鹿になりません。eラーニングではこれらの経費を大幅に節約できます。また、eラーニングでは個人の理解力に合わせた学習が実現します。
十分に理解していないにもかかわらず、授業が進んでいくようなことは起きません。動画であれば、わからない部分を巻き戻して視聴できます。
社員が自分のペースで学べるので、着実なスキルアップを期待できます。社員からしても、周りに気をつかって質問を止めるなどの悩みから解放されるでしょう。

 

社員教育の事例3.ゆとり以降の世代にはキャリアアンカー研修を

1987~2004年の間に生まれ、ゆとり教育の影響を受けた若者は「ゆとり世代」と呼ばれることがあります。
ゆとり世代は、それ以前の世代と比較すると「受身的」「自分に甘い」「失敗を極度に恐れる」などの特徴が顕著です。
すべてのゆとり世代にあてはまる性格ではないものの、受け入れる会社からすれば「扱いづらい」と感じることも少なくありません。
そこで、ゆとり世代の意識改革を促すには「キャリアアンカー研修」を取り入れてみましょう。キャリアアンカーとは、仕事をするうえでの「核」になる価値観です。
何のために仕事をしなくてはいけないのか、その自覚を持てたときに成長するゆとり世代もいます。

キャリアアンカー研修ではスキルやビジネスマナーを教えるのではなく、社員に自分の心と向き合ってもらいます。
自分の人生を年表にしたり、目標にしている人やその理由を徹底的に掘り下げたりして、根源的な願望を探らせてみましょう。
そして、その願望をかなえるためにはどのようなキャリアを形成するべきなのかを逆算的に考えていきます。
ゆとり世代の多くは、人生にはっきりとした目的がないので仕事にもモチベーションを保てません。キャリアアンカーは、そんな彼らに「働く意味」を与えるきっかけなのです。