き方改革関連法が2019年4月より施行され、本格的に経営のあり方が変革を求められている昨今。企業に求められていることは、生産性の向上です。時間外労働の上限規制や有給休暇の義務づけなど、労働する時間を減らさなければならないのにもかかわらず、今までと同じような経営方針で業務を続けていけば、業績が悪化するのは時間の問題です。それではどのようにすれば生産性向上を実現できるのでしょうか。ここでは、混同されやすい「生産性向上」と「業務効率化」の違いに触れつつ、どういった取り組みをしていくべきなのかをご紹介していきます。

 

生産性向上とはどういうことか?

事業をより成長させるために必要とされるものの中に「生産性向上」と「業務効率化」があります。同じことのように思われがちですが、実際はこの二つには違いがあり、区別して考える必要があります。

生産性向上とは、組織の保有する資源を最大限に活用して、最小の投資(インプット)で最大の成果(アウトプット)を生み出すことです。この「生産性」は数式で「アウトプット÷インプット」となります。

インプットが少なく、アウトプットが多いほど生産性は高いということになります。「生産性向上」とは、限られた時間内でどれだけ高い成果を上げることができるのかが鍵となります。重要なことは、成果に直接つながるように、コア業務にできるだけエネルギーを集中させることです。

一方「業務効率化」とは、業務をする際に生じる無駄なもの、無理・ムラをなくし、可能な限り業務スピードを上げ、低コストで処理を行っていくことが目的となります。

 

生産性向上のために決めたい「やらないこと」4つ

生産性を上げるためには、「やらないこと」を決めることが大切になります。
「やらないこと」を決めて、利益が出ることにできるだけエネルギーを集中するためです。

1.リピーターのいない事業はやらない
リピーターの顧客というのは、どのような事業にとっても大変重要な存在です。「鉄砲は売らない、弾を売る」そうある企業の社長は言います。

「同じサービスを同じお客様に繰り返し売る」ということを基本理念として、事業を拡大させていくことは、地に足のついた、非常に賢明なやり方と言えるでしょう。

一口にリピーターと言っても、コンスタントに購入してくださるお客様から、たまに忘れた頃に購入される方まで、その種類は様々です。

ここで重要なことは、コンスタントにサービスを利用してくれる優良顧客を増やすことにあります。この優良顧客の数によって会社の基盤の強さが決まると言っても過言ではありません。

2.ライバルのいない事業には手を出さない
まだどの会社も参入していない市場だからと、勇み足で新しい事業を始めたら失敗してしまったというような話を耳にしたことはありませんか?

ライバルがいないということは、メリットでもありデメリットでもあります。これは、当たるか外れるか、博打のような要素を含んでいます。誰もしたことがないということは前例がないということで、それはまだ市場ができていないということになります。

市場がないところに進出するということは、軌道に乗るまでどれほどの時間がかかるかわからないということです。大手企業でも大々的に始めた新事業が実を結ばなかったというようなことを時々耳にしますね。中小企業ならば、事態はもっと深刻になることでしょう。

自社の強み・弱みを把握して、市場がないところには出ていかないと決めることで、新しい事業を客観的に検討でき、欲にくらんで大事なことを見落とし失敗することを防げます。

3.新しいことをためらわない
新しいことを始めることは、経営者にとっては勇気がいることではないでしょうか。新しいことを始めると、必ず何か失うものが存在します。保守的な経営者は失うことを恐れ、会社が成長することを自分自身で妨げているのです。しかしそれでは成功は望めません。

今日新しいことでも、時間が経てばそれは古いことへと変化します。経営方針でもそれは同じことです。常に新しいことを取り入れて実行することが、事業の成功に結びつくのです。

4.生産性の高い社員のやる気を削がない
生産性の高い社員は、会社の中でも特に重要な存在となります。一人そういった人物がいるだけで、職場の雰囲気はがらりと変わります。社員のモチベーションを上げるうえで必要不可欠といえるでしょう。

こういった社員は、他よりも仕事が早くサクサクと物事をこなしていきます。だからつい、追加で仕事の依頼をしてしまいたくなりますが、それは悪手になります。

彼・彼女らにはやる気があり精力的に仕事をこなしますが、自分だけがたくさんの仕事を受け持っていると感じた時、どのような気持ちになるでしょうか。もしかしたら急に疲れたような気持ちになりやる気をなくしてしまうかもしれません。

一度失ってしまったやる気というのは、取り戻すのに時間がかかります。生産性の高い社員を単に便利な存在とするのではなく、その生産性の高さを正当に評価するしくみを作りましょう。

 

まとめ

生産性向上と業務効率化の違い、そして生産性向上のために「やらない」ことの大切さについてご紹介しました。何かを向上させたいときにはつい「やること」ばかりを考えてしまいますが、「やらない」ことを決めることで、重要なことにエネルギーを集中することができます。

「やらない」ことを恐れずに決めて事業の生産性を上げ、会社を成功へと導きましょう。