業承継とは、会社などの経営を後継者に引き継ぐことです。事業承継には誰に事業を引き継ぐかによって、大きく3つに分かれます。

 

そもそも事業承継って?

1つ目は、事業の後継者を親族にする親族内承継です。
親族内承継は経営者の子息に承継する場合がほとんどですが、経営者の兄弟や夫人が引き継ぐ場合もあります。親
族内承継のメリットは、元々の事業主が親族のためつながりが深く、従業員にも受け入れられやすい点にあります。
また、後継者が若いうちから育成ができますし、事業を承継する方法についても柔軟に話し合うことができるのです。

2つ目は、元々いる会社の従業員や役員に会社の事業を承継する従業員承継です。
少子高齢化が進むなかで自分の子どもがいなかったり、子どもがいても親の事業を引き継ぎたがらなかったりするケースも増えています。
そのような場合に、会社の従業員や役員に会社を引き継いでもらうのです。従業員承継のメリットは後継者を選ぶうえで、多くの人材から幅広く選ぶことができます。
また、会社に従事している人間は初めからその会社の事業や業務に関する知識を持っているため、後継者としての育成の手間が省けます。
さらには、会社内や取引先などからの理解も得やすく、会社の伝統や文化も維持できるのです。

そして、3つ目の事情承継がM&Aとなります。
 

 

M&Aとは

Mergers and Acquisitionsの略語で、直訳すると「合併と買収」という意味になります。
会社の業務を、他の会社との合併や買収という形で引き継ぐことをいうのです。M&Aは大きく5つに分かれます。

1つ目は合併です。
複数の会社が1つになることを合併といいますが、合併には参加したすべての会社が消滅する新設合併と、1社を除いて参加した他の会社が消滅する吸収合併があります。

2つ目は業務提携です。
業務提携はお互いの会社の利益のために技術などを共有して、協力することをいいます。
これにはお互いの技術を提供し合って新たに商品などを開発する技術提携の他に、生産提携と販売提携があります。
生産提携は生産が追いつかない場合に、資材を調達しあったり生産を委託しあったりすることで互いに利益を得られます。
そして、販売提携は新たな商品を開発した会社が、提携する会社の販売ルートなどを利用して販売を委託する形態です。

3つ目のM&Aの形は分割です。
これは会社が持つ事業に関しての権利や義務を、相手方の会社や新たに新設する会社に承継させることをいいます。
一方の会社に権利や義務を引き継がせることを吸収分割、両方の会社の権利や義務を新たな会社に引き継がせることを新設分割といいます。

4つ目は資本提携です。
資本提携はお互いに独立しながらも双方で株式を持ち、関係を強化していくことです。
これには一方の会社が株式を持つ資本参加もあります。

最後に買収です。
買収は会社の一部の事業を譲渡する事業譲渡と、会社の株式を買い取ることで経営権を取得する株式取得があります。
事業譲渡では対価を相手の会社に支払うことで事業部門を個別に買い取り、株式取得では3分の1以上の株を取得することで、会社の所有権をまるごと獲得します。
 

M&Aの資金運用的なメリット

M&Aのメリットはさまざまありますが、M&Aにおいては相互の資金運用的なメリットが大切になります。
例えば、買収の形態をとり、お互いの関係を売却側と買収側とします。M&Aにおける売却側のメリットは、会社を売却することで多額の現金を得られることです。
M&Aによって獲得できる金額は数年間事業を継続して得られる金額ともいわれています。借入金が残っている場合は獲得した現金で返済も可能ですし、新たに何か始めたい場合はその資金に充てることもできるのです。
また、株式譲渡にすると課税される税額が比較的少なくなることが多いです。

買収側のメリットとしては、M&Aで事業や企業を買収することで素早い経営戦力の実行を可能にし、事業規模の拡大につながります。
技術や特許などを1から構築するのは時間がかかります。M&Aで企業を買収することによって、目的に沿った技術や特許などが素早く手に入り、結果的に売り上げを伸ばすことができるのです。
そして、その利益で得た資金を運用し、さらなる事業拡大が可能となるのです。