なたは自分の事業を始めたとき、戦略的にまっさらな状態から会社運営を始めましたか?会社経営には、それぞれに違った経営戦略がありますね。ですが、どの経営者もゼロから経営戦略を練って会社運営を始めたのでしょうか。
「真似をする」という言葉を耳にすると、いい顔をする人はあまりいないのではないかと思います。しかしながら、多くの人が会社経営を始める際、必ず何かしら誰かが先立ってしたことを真似ているはずなのです。「真似をする」ことにはたくさんのメリットがある。今回はそのことについてご紹介します。

 

業界の非常識を取り入れる実例

今いる人材をしっかりと育てることは、優秀な人材を採用することよりも重要です。
ある社長はこう言います。
「我が社の仕組みは100%どこかの真似であり、自社で考えたものは何一つない」

現代社会において、「他者の真似をすることは恥ずべきことである」というのが一般的な風潮ではないでしょうか。しかしながら、根本から突き詰めて考えを巡らせていった時、どんな物事であっても何かしら真似つ真似られつつ発展してきたことがわかります。

「真似をすること」は会社を経営していく上でメリットはもたらしても、デメリットをもたらすことはありません。なぜならば、経験や実績のない中小企業が、ゼロから何かを成し遂げようとすることは非常に困難であるからです。それは困難であるのみならず、大変な時間と労力を必要とします。それにもかかわらず、必ず成功するとは限りません。

一方で他企業が成果を出している仕組みや取り組みを自社のシステムに取り入れる、いわゆる「真似をする」ことをしてみた時はどうでしょうか。すでに完成されているものを真似ることで、「0」だったものが苦労することなく「1」へと変化しました。

誰しも起業したばかりの頃は経験不足なわけですから、無理をしてゼロから自力で成果を出そうとするより、人から意見を聞き他社で成功しているシステムを取り込んで成果を出すことが正しいことと考えるべきです。

ライバルを徹底的にベンチマーク

一度周りを見渡してみてください。「仕事を教わる」と言うとき、それは一体誰からなのでしょうか。
勤め先の社長でしょうか、それとも上司でしょうか。

私たちが仕事を教わるのは「マーケット」です。
企業は他者がいなければその存在は成り立ちません。「マーケット」には「お客様」、そして「ライバル」がいます。起業をし、事業を進めていく上で、「お客様」の言葉を軽んじているようではより良いものを提供することは不可能ですね。

そしてそこにライバルは必ず付きものですが、ライバル会社は実は自社に不足しているものに気づかせてくれる存在でもあります。ライバル会社にお客様を取られてしまうということは、向こうにはあってこちらには不足している「何か」があるということに他なりません。

お客様を取られてしまうというのは手痛い損失ですが、そこで立ち止まるわけにはいきません。ライバルには必ず勝利しなければいけないのです。なぜライバルの方がお客様にとって魅力的なのかをベンチマークに設定し、徹底的に調べる必要があります。

そうすることで、自社にはないものが一体どういったものなのかが浮かび上がり、問題の解決そして業績を上げることにつながります。

ランチェスターの法則に学ぶ

「ランチェスターの法則」または「ランチェスター戦略」とは、広く世界で利用されている戦略法の一つで、弱者が強者に立ち向かうために使用する戦略手段です。

元々は軍事作戦の1モデルでしたが、マーケティングと似ているところがある為にビジネスの場で多々用いられています。

ランチェスター法則とは「戦闘力=兵士の質×量」というものです。戦いの中で兵士の数と質は当然非常に重要です。この「戦闘力」を数学的に始めて論じたのがイギリスのランチェスターでした。

彼はこの法則の中で、1位を強者、そして2位以下をすべて弱者と定義しました。その中でも有名な法則は2つあります。

第一法則は弱者のための法則とされています。刀や槍などを使って狭い範囲で戦う場合、「戦闘力=武器効率(質)× 兵力数(量)」としました。兵力の数が両者同じであった場合、兵士の質が高い方が勝利する、というものです。

多くの場合、中小企業は数で大手企業に勝つことができないため、自分が強みを持つ狭い分野で、兵力の質を高めていくことが中小企業の取るべき戦略と言えるでしょう。

第二の法則は強者のための法則とされています。
銃や飛行機などを使って広い範囲で戦う場合、「戦闘力=武器効率(質)× 兵力数の二乗(量)」となります。兵力の質が同じであった場合、相手よりも多くの兵を投入して勝利する、というものです。

大企業は中小企業が行い成功した戦略法を真似、なおかつ数で相手を圧倒し、有り余る資金によってそれを広範囲に拡散させ作戦を成功させます。

中小企業にそういったことはできないため、作戦を綿密に練る必要があります。第二法則ではなく、第一法則に従い、「一点集中」「接近戦」「陽動戦」など、ありとあらゆる手を使って勝利を掴みにいかなければいけません。

そのためには、徹底的に市場調査を行うことが必要です。今どういった人がどういったものを求めているのか。そのことを十二分に理解する必要があります。

まとめ

「真似をする」ということは先人の知恵を運用し、事業を効率的に進めていくことに必要だということがわかりました。

「ライバル」とは、自社に不足しているものを再確認するための重要なビジネスモデルであり、ベンチマークに設定することで、どういったことをすべきなのか先の展望を見せてくれる鍵的存在であることを認識されたのではないでしょうか。

双方を踏まえた上で、「ランチェスターの法則」に則った少数精鋭という考えで経営方針を決定していくことが、事業を成功させる道ではないでしょうか。