社経営者ならば、事業運営のために少しでも低い金利で融資を受けたいと思うはずです。
では、どのようにすれば低金利で融資を受けることができるのでしょうか。
その方法と注意点をご紹介します。

金利によって返済額はどのくらい変わるのか

融資を受ける際の金利の金額は、常に把握しておく必要があります。
例えば、3千万円の融資を受け、その金利が2.5%、5年60回/月50万円返済の場合、完済するまでの支払利息は187.5万円になります。
しかし、融資を受ける際に金利交渉を行い、金利を1.5%に引き下げることができれば、支払利息は112.5万円となります。結果的に、総額75万円ものコストカットが可能です。

上記のように、融資を受けたいと考えている場合は、ますは借りたい金額で金利や返済期間を変え、シミュレーションをしてみると良いでしょう。そうすることで、どのくらいの金利ならば資金繰りに無理がないかを確認でき、返済不可能になるような無茶な借入をすることを防げます。

低金利で融資を受けるための方法3つ

できるだけ低い金利で融資を受けるにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは3つの方法を紹介します。

1 公的融資制度を使う
それぞれの自治体には、融資を低金利で受けることのできる制度融資があります。これは各自治体が信用保証協会や金融機関と連携して設けている制度です。

企業から融資の申し込みを受けた地方自治体は、まず金融機関に対し制度融資の斡旋を行います。そこで、信用保証協会が融資の保証人となり、地方自治体が預託金を金融機関へ提供したり、保証料また金利の一部を負担したりします。

制度融資で融資を受けるときのメリットは、大きく4つあります。
1 起業したばかりの事業主でも、審査に通りやすく融資を受けられる可能性が高い
2 他の金融機関と比べ、金利が非常に低い
3 他の金融機関と比べ、据置期間が長い
4 保証料補助や利子補給がある

メリットが多い制度融資ですが、融資を受けるためには金融機関での手続きのみならず、地方自治体の承諾、また信用保証協会の審査などを経る必要があります。そのため、必要書類の種類も量も多く、手間がかかるため、相談を開始してから融資実行まで2〜3か月ほどかかり、早急に融資を受ける必要がある場合にはデメリットとなります。

もう一つの公的融資制度は日本政策金融公庫です。これは国が100%出資をする金融機関で、2008年に設立されました。
銀行で融資を受けることができない中小企業経営者や個人事業主に、事業資金や運転資金の調達をサポートする仕組みになっています。

日本政策金融公庫で融資を受けるメリットも、大きく4つあります。
1 他の金融機関で審査に通らなくても、日本政策金融公庫であれば通る可能性がある
2 他の金融機関と比べ、金利が非常に低い
3 金融機関の審査が通りやすくなり、融資が受けやすくなる
4 融資についての相談がしやすく、事業の助言をくれる

日本政策金融公庫の大きな特徴は、審査の可決率が高いということです。業績の少ない中小企業の経営者や個人事業主は、収入が安定しないと考えられ、金融機関の融資は受けにくい立場にあります。そうした中小企業、個人事業主の資金解決をすることが日本政策金融公庫の役割になります。

日本政策金融公庫で融資を受ける際のデメリットは、審査の日数です。一般の消費者金融機関で数日、銀行では1週間ほどで融資が実行されるのに対して、日本政策金融公庫での審査はおよそ1ヶ月かかります。

2 銀行を競合させる
複数の銀行を競争させることで、より低い金利、より良い条件で融資を得ることが可能になります。
まず銀行から金利が記入された融資の提案書をもらい、それを交渉材料として他の銀行からより良い条件の融資提案をさせます。これを繰り返し行うことで、低金利の融資が受けられるようになるのです。

3 銀行員のノルマ達成に協力する
銀行の支店には得意先ごとにそれぞれ営業担当者がおり、融資の量はノルマのひとつです。そのため、銀行が会社に融資を勧めてきた時は、営業担当者がノルマ達成に向けて動いているということになります。
そういったときには、金利交渉を優位に進めることが可能です。

銀行と金利交渉をするときの注意点

理想的な融資の状態は、こちらから金利の引き下げを銀行側に頼むのではなく、銀行の方から金利を下げるから是非取引をして欲しいと申し出てきてもらうことです。
それを実現させるためには、常日頃から銀行と誠実に付き合うことが大切です。そうして徐々に借入と返済の実績を作っていきましょう。
金利を下げることによって、融資を受ける側だけがメリットを得るのではなく、銀行側でもノルマの達成などができるWIN-WINの関係を築くようにしたいですね。
銀行で働いている方たちも一人の人間ですから、お互いが気持ちよく付き合えるように、思いやりを忘れずにいましょう。

まとめ

より自社に有利な条件で融資を受けることで、結果として金銭的に大きなメリットを生むことになるということが改めてわかりました。
無理なく返済を行なっていくためにも、どの金融機関で、どのような条件で融資を受けるのかを吟味していきましょう。