もが口を揃えたように「経営者は孤独である」と言います。
ではどうして経営者は孤独なのでしょうか。その孤独を軽減することは
可能なのでしょうか。

 

成功する経営者はなぜ孤独なのか?

 

決断はすべて自分の責任

経営者は常に決断を迫られています。その決断の重要度が高くなればなるほど、誰かに相談するいうことが難しくなっていきます。

どのようなことを決断でも、それは会社経営に確実に影響を及ぼしていくのですから、その重圧は想像以上に大きなものです。

金銭的なことや事業の今後についての不安、仕事での対人関係の悩みなど、すべての問題に自分一人で向き合っていかなくてはなりません。成功する経営者には、責任をすべて分け合える人間がいないのです。

 

今までと同じようには友達付き合いができない

経営者となった人が、経営者となる前からの友人と久々に会ってみると、これまで同じような価値観を持っていたはずなのにその違いや考え方のズレを感じてしまうことがあります。
その際に楽しい時間を過ごすことができなかった、というのはよく耳にする話です。

これは起業した人とそうでない人の間では仕方がないことと言えるでしょう。両者の間には責任の重みという大きな溝ができてしまっているのです。

中には起業して事業がうまく軌道に乗り始めると打算的に近づいてきて、少しうまくいかない時期があるとあっという間に離れていってしまうような人もいます。

ある程度信用していた人にそのようなことをされてしまうと、人間不信に陥ってしまいそうですが、そこは経験の一つとして割り切るしかありません。

 

自由であることが孤独であること

経営者は自分自身がすべてを動かすことができる立場にあります。それは言い方を変えれば誰よりも自由であるということです。

自由である人は、何ものにもとらわれず自分ですべてを決断し行動します。それはまさしく孤独であるということです。
その孤独こそが経営者を奮い立たせ、前へと進ませる原動力になっているのではないでしょうか。

 

成功する経営者の孤独を軽減するポイント

社会の中では完璧であることが必ずしも良いことであるとは限りません。
人は完璧な人間を見ると敬意を抱くとともに、自分自身との共通点を見出せずその人物に対して親近感を持つことが困難になります。

トップに立つ人間が完璧であることは会社にとって重要ですが、それは時に問題が起きる原因にもなりうることを心に留めておかなければいけません。

他者からの忌憚のない意見が、解決の難しいと思っていたことが好転するきっかけになることもあります。
多様な考え方を受け入れることが社内で参謀を育てることになり、社外では人脈を広げる足がかりになるのです。

自分の欠点を隠そうとはせずに、人間味のある姿を見せてみましょう。そうすることで付き合いやすい相手として認識され、意見交換のしやすい職場環境を作ることができます。
どのような意見を受けても頭ごなしに否定するようなことはしないでいると、相手に「きちんと話のできる経営者だ」とわかってもらえて互いに視野が広がり、信頼も強固なものになっていくはずです。

 

タイムマネジメント・ワークライフバランス

経営者になると、仕事とプライベートの境界線がなくなってしまうことが多々あります。
しかし仕事がプライベートな時間までどんどん侵食し始めると、重要である社会的なつながりを持つ時間を作ることが難しくなってしまいます。

まずは1日の時間を細かく区切り、すべきタスクを可視化します。意識を多方面にやることはせず、決めた時間は決めたタスクに集中することで効率化を図るのです。
想像以上に時間を奪われるメールの返信やチャットの呼びかけには都度反応せずに、それ用に時間を割り振って別途で作業するようにします。
また、細切れ時間を有効活用することで仕事がスムーズに進行します。
電車やタクシーでの移動時間で、部下からの報告受けられるツールを活用したり、お客様に連絡したりすると想像以上に仕事が進行するケースも多いのです。

そして、暗くなる前に退社をするように心がけてみましょう。夕食の時間までに帰宅するよう心がけ、家族と過ごす時間を増やして仕事とプライベートの線引きをします。

そのようにオンとオフを分け、気分を一新させてバランスをとることでストレスを軽減することが可能となります。

 

まとめ

トップに立つ者は孤独ですが、考え方や行動を変化させることでそれを軽減させることは可能です。
事業を成功させたいという気持ちが強すぎるあまり、対人関係をないがしろにしてしまっては経営者としての孤独感は増すばかりです。

経営者の孤独は仕事をしていく上で必要不可欠な刺激のようなものだと考え、それを自分の糧にして前に進んだ先に得られるものを見据え、楽しんで会社経営をしていきたいですね。