建設業2008年に社長自ら会社を変えるべく朝20分間の掃除=環境整備を実践。
その後、右肩下がりの業界の状況を鑑み、組織全体で価値観を揃える重要性を感じ、改善を実施。絶対に潰れない強い組織づくりの取組を9年間、続け成長、変革、進化を続け、3億円の赤字から3億円の黒字へ。

株式会社 後藤組 代表取締役 後藤茂之様
「成功企業のありのままを見て、会社でそのまま同じようにすぐやってみる。その後、自社と、成功企業の差を検証する。そうすると成功経営者と自分の違いや差がよく解ってとてもプラスになりました。」

 

 

 

 


キャビネットに各自の顔写真を貼り、ファイルなどの置場所を決めて管理。顔写真には携帯電話の番号を大きく表示し、すぐに連絡が取れるようになっている

現場での情報共有は、色で分けた付箋を使い、誰が見てもひと目で状況が解るようになっている

個人が半年間で達成すべき目標から逆算した、「実行計画表」を作成。1ヶ月ごとで何を成し遂げるべきかを見える化し、上司は部下と一緒にどのように成果を上げるが明確になる。いつまでに実施するのかを決め、情報やモノの徹底的な整理整頓を繰り返すことで目標達成できるように作られている

 

価値観を揃える取組み『環境整備』で強い組織に成長

「実は、最初は現場で朝30分間の掃除を取り入れることは無理かなと思っていました。でも少しずつやり始める社員が出てきました。この取組含め、現場の状態を確認するために「改善が実施されているのか」を毎月わたしが点検をし、点数をつけます。そうすると、実施している部署とそうではない部署に点数に差が出ますからやっていない ところも焦りだしたのです。このようにして会社全体が環境整備をするようになったのが、10カ月後。成功企業にならって点検の点数と賞与と連動させなければ、多分みんな環境整備をしなかったと思いますね。」

 

「朝20分間の清掃は、同じレベルで違いに気がつくことができるようになる=価値観が揃う方法の一つです。会社において価値観を揃えることは、ものすごく大事なんです。価値観が揃っている組織はものすごく強いんです。環境整備を進めると、社長と社員の基本的な言語が共通化され、同じ言葉で考え方で話せるようになります。そうすると、価値観を揃えられない人が辞めていくっていう仕組なんですよ。」

 

 


建築資材もすべて置き場所と数量を決め、3 定管理。表示を見れば、自在ジャッキベースの置場所と、1段20列で置くというルールがすぐに解るようになっている

朝の20分の掃除を実施している現場事務所の仮設トイレ。 屋内に設置し土足厳禁にしたことで、清潔に使用できるように改善された

 

 

現場の声

整理整頓・清潔が当たり前に

私は以前も同じ職種の企業で現場を担当していました。当時の自分は社内でも現場事務所をきれいにしている方だと思っていましたが、後藤組に入ってここまで徹底しなければだめなんだということを勉強しました。初めは毎日朝の掃除を行うことや、素手でのトイレ掃除など驚くことばかり でしたが、現場代理人として現場を運用する立場になると、常に整理整頓し、仕事がしやすい環境を整えようと心がけるようになり、それがあたりまえになりました。
終業時に翌朝のための事務所の片付けや、駐車場のゴミを拾うなど自発的に行動できるようになりました。

定着させるには徹底的にやる。それしかない。

朝20分間の掃除をしてみて、社員の雰囲気が変わりました。以前より明るく前向きになっています。お客様と接するときも、 提案型や仮説を立てて話をする社員が増えてき て、評価点の向上や現場の利益アップなどの成果と結びついて結果が出始めています。また、週に1回ほど現場の協力業者さんと一緒に環境整備を 行う機会を設けると、全員で一緒にいいものを作り上げようという気持ちを高めることができて、 雰囲気もよくなりました。現場に定着させるには、 朝20分間、決められたところを徹底的にやる。 それしかないです。