サービス業ビルメンテナンス
業務を行う現場数が400を越えるという企業で働く、982名の方向性をひとつに束ね、地域ナンバー1を積み上げながら躍進を続ける。

代表取締役社長 田中正彦様
誰かのために気づいて行動するということは、自分が何かのために変わることです。お客様のために、言葉や動作など全て変わります。大きく変わらなくていいから、小さな変化を繰り返すことが、ビフォー・アフターと言われる環境整備の狙いじゃないかなと思います。

 

 


左、手作りの日めくりカレンダーには、お客様からのお喜びの声と自分の考えが書かれている。右、経営方針書の『サービス憲章』の私たちの約束も日めくりに。1カ条から14カ条あり、毎日ひとつずつ唱和する。家で家族と一緒に唱和する社員もいるそう

共有で使うものは置場所を決め定位置管理

だれが見てもひと目で解るように、「やってはいけない事」を掲示し、情報共有する

 

社員の自主性を引き出すプラスワンの魔法

ご自身があれこれと細かく指示を出されるのではなく、社員の自主性に任せていらっしゃる面が強い田中社長。「ウチの会社がすごいのは、僕がやりなさいってひと言も言っていないのに、各現場で環境整備指導して、環境整備点検もしてるんですよ。現場はお客様からお借りしている休憩室や倉庫ですから、最初は“何やってんねん”って感じでお客様が見ているわけです。そのなかで、定位置管理とか名前を書くとか、向きを揃えるとかで、すごく変わるじゃないですか。そこがお客様の倉庫の隣だと、雲泥の差が目で見て解る。で、指導してくださいというご要望が、少しずつ増えてきましたね。」
「誰かのために気づいて行動するということは、自分が何かのために変わることです。お客様のために、言葉や動作など全部変わります。それは勇気がいることです。でもそれが、ビフォー・アフターと言われる環境整備の狙いじゃないかなと思います。まず自分が1歩、勇気を持って1cmでも10cmでも行動を変える。大きなことはしなくてもいいから、小さな変化を繰り返していくことこそ、環境整備の目的だと思いますね。1歩の勇気を持つ、ひと言加える、ひとつの動作をプラスすることを社内では、『プラスワンの魔法』と言っています。」


半期の売上、粗利益、営業利益の見える化。前期と今期、差額をポストイットに手書きで掲示

お客様への訪問内容の見える化。お客様名、提案内容、金額、訪問日、提案日、見積提出日、クロージング日が記入されている

 

現場の声

環境整備で気づきが生まれ、お仕事につながりました

環境整備を始めるときは、単純に掃除をするイメージしかなくて、なんで時間を取ってしないといけないのかな?と疑問に思いました。今ではやっていないと気持ち悪いぐらいの感覚です。環境整備を通じて、私自身がいろいろなことに気づけるようになったと思います。お客様へお伺いしたときに、床やカーペットの汚れに気づいて、きれいにする方法をお伝えした結果、ワックスの頻度を多くしていただいたりと、お仕事につながることもあり、環境整備ってすごいなって(笑)。

PDCA サイクルが重要

もともと勤務時間内にお掃除をする文化はありましたが、単に清掃だけの環境整備だったらあまり変化は無かったと思います。が、環境整備でいちばん大切なのは、計画を立てて実行し、それを確認して見直しをして改善活動をするという、PDCAサイクルが重要で、これを仕事に結び付ける。仕事のやり方や考え方を環境整備に学ぶということだと思います。計画を立て実行しながら、自分たちの身の周りを、上下左右や斜めから、あるいは裏側からと視点を変えて見ることで、新しい気づきになるということですよね。