途採用で優秀な人材を採用することで、即戦力の補強が期待できます。しかし、中途採用において難しいのが「給与をいくらに設定するか」だといえます。

 

な給与面でどのような設定をするか

新卒社員であれば誰もが社会人経験のない地点からのスタートなので、一律に給与を設定しても不平不満が溜まることはほとんどありません。
それに対して、中途採用は採用予定者のスキルや経験などを考慮して設定する必要があります。そのため、新入社員のように一律で決めることは望ましくありません。

中途採用の人材に対して給与を設定する方法には、大きく分けて「社内の水準に合わせる」「前職の水準に合わせる」の2つがあります。

社内の水準に合わせることのメリットは、従業員同士の不公平感をなくせることです。
同一労働、同一賃金という日本政府の進める働き方改革の考え方にも通じるものがあります。
一方で、前職の水準に合わせるメリットは採用予定者のモチベーションをキープできる点です。
年功序列型の給与体系を採用している企業によくみられる方法で、これまでと変わらない待遇を用意することで給与面によるモチベーションの低下を防ぎます。

いずれの方法を採用するにしても、給与体系は優秀な人材を獲得するために、とても重要な要素の1つです。ただし、あまりにも中途採用者を優遇してしまうと、昔から働いている従業員の不満が溜まってしまうので、不公平になりすぎないように気を付けましょう。

会社概要における会社側と希望者のギャップをなくす

中途採用は新卒と異なり、特定の時期に解禁するという決まりはありません。そのため、希望者を集めて会社説明会をするような機会はほとんどないのが実情です。
つまり、希望者に自社の会社概要を直接伝える機会があまりありません。希望者のなかには自社の情報を正しく認識していない人がいる可能性があります。
自社の概要をよく理解していないまま入社が決まってしまうと、入社後の業務に不満を覚えてしまい、最悪の場合は退職につながってしまうでしょう。
そのようなことにならないように、採用を決める前に自社の情報を希望者に対して正確に伝えるように努力しておいたほうがよいです。

たとえば、一次面接のときに相手の情報を聞き出すだけでなく、自社の情報についてもよく伝えておくという方法があります。
自社の魅力が業務内容だけでなく、抱えている課題とその解決策を包み隠さず伝えることで、入社後に感じるギャップを防ぐことが可能です。
特に成果報酬で契約している人材エージェントを利用していると、少しでも希望者を増やそうとして業務内容などを正確に伝えてくれないことがあります。
そのような場合でも、面接で相手の質問に対してきちんと答えたり、業務内容について確認したりすればミスマッチを防げます。

 

書類選考よりも面接を重視する

中途採用の場合、経歴やスキルを重視するあまり、書類選考を重視しすぎてしまうケースがあります。
たしかに履歴書や職務経歴書といった書類から得られる情報は、希望者の基礎的な能力を知るためには重要です。
しかし、長期的に勤めてもらう人材を確保しようとするならば、一緒に長い間信頼できる人物であるかを見極めることも大切だといえます。
希望者の人物像を見極めるためには、面接の時間を有効活用することが肝心です。たとえば、履歴書では転職にいたった表面上の理由を知ることはできます。
しかし、面接で本人のキャリア観などに具体的な質問をすることで、入社後のミスマッチを防ぐことも可能です。

また、それぞれの企業によって社風は異なるため、自社に合った人材であるかを判断する必要もあります。
それまで勤めていた企業の社風に染まってしまっている希望者は、入社後に転職先の企業の社風に馴染めないケースがあるからです。
前職の社風というのは言葉で表現するのが難しいうえ、一般的に履歴書に記載する事項でもありません。
そのため、意外と見落としがちなポイントです。

入社後にスムーズに溶け込んで能力を発揮してもらうためにも、社風に馴染めるかどうかも面接時に確認しておきましょう。