リーダーとして尊敬される上司になる
リーダーとして尊敬される上司や経営者になることは、チームワークや生産性向上に欠かせない大事な点です。
リーダーが尊敬される対象であるなら、リーダーの指示は円滑に全体に浸透します。そして社員や部下も報告をしっかりと行ってくれるようになるので、リーダーとして正しい決断を下すことにも役立ちます。
ですから部下に尊敬されるリーダーとなるために何が必要となるのかを考えておくのは、経営者として大切なことです。
また、管理職として部下をまとめる立場にある社員に対しても、経営者はこの点をしっかりと教育しておく必要があるでしょう。
尊敬されるリーダーが持っている特徴とは
そもそも部下から尊敬され、リーダーシップが取れるリーダーとはどのようなリーダーなのでしょうか。
「仕事ができる」というだけでは、「信頼」は勝ち得ても「尊敬」はされない可能性があります。
「尊敬されるリーダー」あるいは「ついて行きたくなる経営者」とは、仕事ができることに加えて「人間力の高い人」なのではないでしょうか。
人間として尊敬できるので、「この人について行きたい」という打算ではない感情が部下に生まれるのです。
ですから、部下から尊敬されるリーダーとは、部下とのコミュニケーション能力に長けた存在とも言えます。
部下との間の信頼関係はすぐに築けるものではないのは明らかです。信頼関係は、日々の会話や仕事を共にしていく中で徐々に形成されていくものです。
ですから「ついて行きたくなるリーダー」になるためには、ある程度の時間と継続した努力が必要になることも覚えておかなければなりません。
経営者あるいは上司として「尊敬されるリーダー」になるのが重要なのはなぜか、という点についても考えてみてください。
企業においては離職率の上昇は大きな問題です。また社員のモチベーションアップという生産性向上に関する分野も業績に関わる部分です。
こうした問題を解決するのに役立つのが、「尊敬できる上司がいること」なのです。
尊敬できる上司がいれば、部下は、仕事の中で難しいと感じることがあっても、「この上司がいるから辞めたくない」と感じ、「この上司のために頑張りたい」と最善を尽くすのではないでしょうか。
部下から見て尊敬されるリーダーになるというのは、非常に大きく重要な経営課題の一つです。
そこで、職場での上司と部下の人間関係は働く上で大切な鍵となるのです。
リーダーに求められる5つのコミュニケーション力
リーダーとして部下との良い関係を築くには、毎日のコミュニケーションが大きな役割を果たします。
そこでここからは、リーダーに求められる5つのコミュニケーション力について理解を深めていきましょう。
①謙虚さ
尊敬されるリーダーは誰に対しても同じ態度を保ちます。相手によって、ペコペコしたり、偉そうにしたりと態度を変える人を尊敬できるわけがありません。
また、部下から注意されたり指摘を受けた時にこそ「謙虚さ」を発揮しなければなりません。
他の人からの意見を受け入れられる「謙虚さ」や、自分がすべてを知っているわけではない事を認める「慎み」は、「弱さ」ではなくリーダーとしての「器の大きさ」を示すものです。
そうした上司にこそ、人は「ついて行きたい」と感じるのです。
②結果だけに注目しない
上司が結果だけですべてを判断するとすれば、部下はそこに人間味を感じる事はありません。たとえ失敗したとしても、そこに至る努力やプロセスを評価してくれるなら、また頑張ろうと思うものです。
しかし、これは何でも寛容に受け入れることとは全く違います。怠慢やミスが悪い結果の原因であるなら、その点はしっかりと叱ったり注意を与えるのがリーダーの責任です。
ただ、その際には、感情に任せて怒るのではなく、何が原因だったのか、なぜ注意を受けているのかが相手に伝わるようにしなければならないのです。
そうすれば部下は失敗から学ぶことができます。
そして、たとえ失敗しても努力やプロセスはきちんと評価されることも伝われば、モチベーションアップにもつながるでしょう。
③言ったことは実践
「口だけの人」は信頼されません。行動が伴ってこそリーダーの述べることに部下はついてくるのです。
ですから尊敬されるリーダーは常に「言行一致」の人です。部下に求めることは、まず自分が行うようにしましょう。いつでも仕事に最初に取り組むのがリーダーであることを知れば、部下は自然とその模範に従うようになるのです。
部下に求めた仕事を部下に任せきりにするのではなく、協力や助けを与え、一緒に仕事をしていることを伝えましょう。
④決断には素早さも必要
リーダーには決断力も大事ですが、決断は素早さもポイントです。
部下から相談を受けた時に、いつまでも決められないのであれば、尊敬されることは難しいと言えるでしょう。
関連する情報をしっかりと考えることも大事ですが、素早く判断を下して部下を安心させることも大事なのです。
上司の決断が遅いと、部下は仕事に対して不安になります。そして不安は消極的な仕事に反映されます。その結果として生産性は下がり、仕事の質も低下するのです。
「必要な責任は自分が取る」という決断力が高いリーダーにこそ、部下は「ついて行きたい」と感じるのです。
⑤良い評価は部下と共有
仕事は部下に押し付けて、成果は上司が独占するのであれば、当然ながら部下のやる気は下がります。そして尊敬を受ける事はまずないのです。
尊敬されるリーダーとは、「悪い結果の責任は自分で負い、良い評価は部下と共有する」人です。
部下が仕事で成果を上げた時には、公の場で部下に感謝を表したり、ねぎらうことが大切です。悪い結果が出た時には、結果を分析し改善する必要はありますが、失敗の責任を他者に負わせることがないようにしなければなりません。
尊敬されるリーダーとなるには時間も必要
「ついて行きたい」と思わせる上司になるには継続した努力が必要です。
そして注意しなければならないのは、一度の失敗で良い評判や、イメージは崩れ落ちる可能性があるという点です。
リーダーは、ここまで考えてきた5つのコミュニケーション能力を常に意識して続けていく必要があります。
そして、そうするだけの価値があることを覚えておかなければなりません。
尊敬される上司は、生産性向上や離職率の低下に大きく寄与します。社内の団結力を高め、平和な関係を築くことにも貢献します。
求心力の高いリーダーは、社内にとどまらず社外からも良い評判を得るでしょう。
総合的な会社の発展において欠かすことができないのが、「尊敬されるリーダー」なのです。