会社経営をする上でリスクを回避する3つのポイント
会社を経営する上で、リスクは常に付きまとうものです。長く安定した経営を目指すためには、しっかりとしたリスク管理が必要不可欠となります。リスクを回避するために重要なポイントを、会計、労務、財務の観点からまとめました。
会計
会計は面倒な義務なので、日々利益があれば会計がしっかりできていなくても大丈夫と、会計業務をおざなりにしてはいませんか? 営利企業の目的は、「利益追求」、すなわち売り上げを最大にして経費を最小にすることです。この利益追求という目的を達成するために、会計は重要な手段の1つとなります。会社の状態を把握する材料として会計を使うことで、よりよい経営を実現していくことができるのです。
社員に心地よく働いてもらうための労務管理とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。
過去を検証する
経営がうまくいっていないと感じるときは、過去の会計を振り返ることでその原因を探ることができます。会計帳簿はただの数字の羅列ではなく、経営者の判断が結果となって現れたものなのです。
現状を把握する
現状把握には、月次決算書が役立ちます。経営判断の検証は、月次決算書によって毎月行うことが重要です。
未来を予測する
過去と現状を把握した上で、中長期経営計画や予算を作成し、会社の未来を作り上げていきましょう。
経営計画と予算は、どの程度の長さの未来を描くかという点が違います。長期経営計画は5年間、中期経営計画は3年間、そして予算(短期経営計画)は1年間の長さで作成します。長期や中期経営計画は事業の構造改革や体質改善がテーマに、予算は単年の業績改善などがテーマになってきます。
労務
「ヒト」は会社にとって最も重要な資産です。いかにして社員のモチベーションを保つか、最大限に能力を発揮してもらうかを考えて施策を行うのが、労務管理の仕事となっています。適切な労務管理をすることで、生産性の向上や従業員に関するリスクの回避、軽減を図ることができます。
社員に心地よく働いてもらうための労務管理とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。
労働時間管理
社員の就業状況を確認し、労働時間に関するトラブルを未然に防ぐためにも、労働時間の管理は重要です。また労働安全衛生法の改正に伴い、2019年4月1日より労働時間の把握は会社の義務になっています。
給与・福利厚生計算業
労働安全衛生法に定められる、安全安心に働くことができる職場づくりは、従業員にとっても会社にとっても重要です。事故防止施策を施して快適な職場環境を確保することはもちろん、近年ではメンタルヘルスの問題も重要視されています。
安全衛生管理
労働安全衛生法に定められる、安全安心に働くことができる職場づくりは、従業員にとっても会社にとっても重要です。事故防止施策を施して快適な職場環境を確保することはもちろん、近年ではメンタルヘルスの問題も重要視されています。
社員のライフイベントに沿って生じる必要な諸手続きの管理
社員の引っ越しや、結婚、出産などによって生じる手続きです。さらに、介護休暇や育児休暇などの手続きも、これに含まれます。
労使関係管理
経営者と労働者、それぞれの利害が一致しない場合、その折衝を行うことも労務管理の1つです。自社に労働組合が無い場合、ユニオンや合同労組などから交渉を申し入れられることもあります。
財務
財務管理とは、「会社に必要な資金をどのように調達して」「その資金をどのように運用していくか」の施策を考えることです。それにより、企業価値を上げることを目的としています。
財務管理を行う上で、最も重要な要素は現金です。現金の流れ、つまりキャッシュフローをつかんで資金不足を生じさせないようにすることは、会社の健全経営につながります。
資金繰り
資金とは、現金や預金、公社債など、支払いや決算に利用できる手段となるものです。資金の流れを管理して、収支の過不足を調整することを資金繰りと言います。売り上げ回収が遅れるなどで資金が不足し、取引先への支払いや従業員への給与が滞ることがあります。その場合、帳簿では黒字が出ていても、会社の倒産を招く危険が発生してしまいます。
予算管理
倒産の危機を招く資金不足を防ぐためには、手元の資金の管理が不可欠です。数カ月先までの資金計画を立てて、会社の資金状況を把握しましょう。資金が不足しそうな場合は、放置されていた売り上げを回収したり、固定資産や有価証券などを現金化したりなどして、資金繰りを改善していく必要があります。
資金調達
資金調達の方法には、日本政策金融公庫や銀行からの融資、国や自治体からの補助金や助成金、新規株式発行による増資などがあります。助成金は条件が厳しいが返済する必要が無い、増資を入れると経営権が薄まるなど、それぞれメリット、デメリットがあります。
まとめ
安定した会社経営のためには、会計、労務、財務の3つについて、それぞれが必要な水準を確保することが大事です。ヒトと資金という会社の財産を有効に活用しながらリスクを回避することで、会社経営を成功させる道が開けていきます。