営計画書とは、ある中小企業経営者が奨する会社の数字、方針、1年間のスケジュールを一冊の手帳にまとめた、いわば会社のルールブックです。
近年、会社の方針を一冊の本にまとめた「経営計画書」や「事業計画書」を作っている企業は増え続けています。
会社の成長には必要不可欠な『経営計画書』の秘密や作成の仕方など、今回は18年増収を記録している企業の経営計画書の作成方法についてご紹介していきたいと思います。

 

「経営計画書」とは何か

冒頭でも述べたように経営計画書は会社の成長には必要不可欠です。
経営計画書は、社長専門のコンサルタントであった故一倉定氏の「社長の仕事は経営計画書の作成がすべて」という言葉に刺激を受けて作成されたものです。
今回ご紹介する企業の名前を仮に、「M企業」とします。
M企業が毎年作成している「手帳型経営計画書」は会社の数字、方針、1年間のスケジュールを一冊の手帳にまとめた、いわば会社のルールブックです。
その経営計画書をM企業では、全社員ひとりひとりに渡しています。

↓経営計画書について、もっと詳しく知りたい方はこちら↓
https://shacho-ouen.jp/wisdom/management/5729/

 

経営計画書は経営者の悩みを解消するひみつ道具?!

会社を成長させるためには、社員の協力が必要不可欠です。M企業の経営計画書には、一倉定先生の会社経営ノウハウと西洋の方法論を融合させた経営戦略が詰まっています。
ところで中小企業の経営者の方々、このような悩みを抱えていませんか?

〇ヒトの悩み【人材育成・教育】
・社員が言うことを聞いてくれない
・社員に思いが伝わらない
・社員の意識が低い
・社員のモチベーションが上がらない
・優秀な人材がいない、獲得できない

〇モノの悩み【売上・サービス】
・色々と試行錯誤しても、一向に売上が上がらない
・生産性がなかなか向上しない
・粗利益をあげるために何をしたら良いのかがわからない

〇カネの悩み【資金調達・運用】
・必要な時に限って銀行がお金を貸してくれない
・利益は出ているが、社員に給料が払えない
・自分の会社のキャッシュフローを見える化したい

これらの悩みは全て経営計画書を作成することで解消されると言っても過言ではありません。この一冊には、社長にとっても社員にとっても会社の最適な状態になる方針やルールがまとまっているのです。

 

社員に思いが伝わらなかったり、言うことを聞いてくれない場合、経営者の考えや方針が、うまく従業員に伝わっていない可能性があります。
経営計画書を用いて、会社の方向性、経営者の熱意をうまく従業員に伝えることが組織力を高め、生産性を上げるためには重要です。

また、せっかくいい商品やサービスを展開しているのに、利益がでない、という場合があります。

こういった状況の時も、経営計画書を活用する必要があります。
経営計画書には多くの場合、過去の細かい実績や、今期の数値目標などが、正確に記載されます。思ったように利益が出ない場合、経営計画書を確認してみることが大切です。

今行っている事業戦略は、経営計画書にのっとったものでしょうか。経営計画書は会社に利益を生むために、経営者の知恵を絞って作成した会社のルールブックです。
現状の事業戦略が、効果的か見極めるために経営計画書を活用しましょう。そもそも、経営計画書の計画に不備がある場合もあるかもしれません。しかし、重要なのは、経営計画書の通りに経営を行う、ということではなく、経営計画書をもとに、自社の戦略を分析するということです。経営戦略の答え合わせをしながら、同じ失敗をしないようにすることが重要です。

また、経営計画書は、銀行に融資を受ける際も非常に有効なツールとして機能します。
自分の会社のキャッシュフローを見える化しておくことで、金融機関に自社のビジネスの信用を担保することができます。どうすれば、利益が出るか、どの部門を強化すればいいのか、きちんと把握して、金融機関に伝えることで、融資をしてもらいやすくなります。

このように、経営計画書は、作成するだけで会社として、たくさんの利益を得ることができます。

↓経営計画書で得られる利益について詳しく記載された記事はこちら↓
https://shacho-ouen.jp/wisdom/management/5717/

 

社員に携帯させる意義

しかし、経営計画書を社員ひとりひとりに渡しても、読まなければそのルールには意味がなくなってしまいます。そこで、毎朝の朝礼で経営計画書の一部を必ず読むようにさせ、ルールを社員に定着させています。
具体的には、○月○日は○ページを読むといったように細かく計画を立てています。
このように毎日の習慣をつくることで、社員ひとりひとりが常に経営計画書を携帯し、自然と社長の理念や経営方針を浸透させることができるようになります。

また、M企業では、経営計画書を手帳型にしています。
あえて小さいサイズにすることで、経営計画書を持ち運びしやすくすることにより、常に経営計画書を見返したり、メモしやすくしています。

何度も読み返すことにより、普段の業務への理解も深まり、モチベーションが上がります。
また、経営計画書には、細かい人事評価基準も記載されているため、どうしたら評価が上がり、給料があがるかも一目瞭然です。自分が会社でどのようにふるまえば評価されるかがわかるので、従業員の当事者意識も高まります。

常に携帯させ、読み返す機会を設けることを経営者は徹底させることが大切です。

経営計画書は会社のルールブック

経営計画書とは、数字、方針、スケジュールをまとめたいわば“ルールブック”のようなものです。
社員はそれを見て、対応しさえすれば会社のことがすべて分かるようになっているため、主体的に仕事に取り組めるようになります。

・目的や意味がわからない作業をわけもわからずやる
・目的や意味を理解して主体的にやる

上記の2つで成果があがるのはどちらでしょうか?もちろん後者の方が成果は上がります。
社員がいくら優秀であったとしても、会社の目的・方針・目指す方向性がなければ、誰もが同じように行動することはできません。
今いる優秀な社員たちの力を最大限に、組織として発揮させて、さらに成果を上げさせるためには、「しくみ」をつくる経営計画書が必要不可欠なのです。

 

まとめ

まとめますと、経営計画書には下記のような効果があります。
・社長の思いが社員に届く
・どうやって儲かっているかが分かるようになる
・社員が主体的に仕事に取り組めるようになる
・売上があがる
・社内の制度や決まりが明文化され、社内で意思疎通がとれるようになる

こんな風に会社を変えたいという方は、ぜひ経営計画書を作成することをおすすめします。