倒くさいことを社員にやらせる・誰もがやりたがらないことを部下にやらせるという点において、そもそもやってもらないと苦労している経営者は多いのではないでしょうか?今回は企業の社長や経営幹部に向けて、面倒くさいことをどうやって社員にやらせるか、その方法を紹介していきます。

 

面倒くさいことを社員にやらせるためには

以下の2つの方法を使えば、どんな面倒くさいことでも社員はやってくれるようになるでしょう。

①やらないと本人が困る仕組みにする
人は誰でも罰則は受けたくありません。その心理を利用することで、面倒くさいことでもやってもらえるようになります。
例えば、交通費の申請をする際、今までは紙で申請していたところものを電子化にシフトしたとします。おそらくそこで出てくるのは「紙の方が前と同じで楽だから、知らないふりをしていつも通り紙で提出しよう」と考える社員です。そういう社員がいると、なかなか電子化に移行できなくなってしまうでしょう。
そういう時に「紙での申請の場合は交通費申請を受け付けない」という罰則を設けます。そうなると申請を受け付けてもらえないと交通費の精算ができないので、社員はブツブツ言いながらもシステムに入力するようになります。また、これを二週間続けると、最初は嫌々やっていた社員たちも、結局はシステムに慣れて文句は自然と無くなっていきます。
このように、やらないと本人が困る仕組みにすることで社員は面倒くさいことでもきちんとやるようになります。

②お金で釣る
当たり前なことですが、社員は皆お金が必要です。ですので、面倒くさいことをやれば、給与や賞与が上がったりするようなしくみを作れば、社員はみんなやる気を出して取り組んでくれるようになります。社員たちにとってお金がもらえることが、一番手っ取り早くやる気が上がる方法なのです。
ある企業では、勉強会などに参加するとスタンプを1個もらうことができ、スタンプカード100個が溜まると商品券や旅行券などがもらえる仕組みになっています。貰うことで現金に換金する方もいれば、お買い物の際に使う方など様々です。だからこそ自主的に勉強会に参加し、面倒くさいことでも積極的にやるようになるのです。

 

面倒くさいことを長期的に継続してやらせる

ここではある企業の取り組み方について紹介していきます。その企業は「実行計画」というものを自分自身で作成しています。
実行計画とは、ある期間の数字目標を立てて、その数字目標から逆算して何をどう取り組むのかを計画して表にまとめるといったものです。これは社員が自ら作成し、それを社長がチェックするしくみになっています。例えば、ある社員が一年以内に課長になるという目標を立てたとします。そこでその目標を達成するために、一週間に一度勉強会を開催するという行動目標を設定し、それを社長に報告します。社長はその取り組みの姿勢を見て課長に昇級させるかを決めます。このように、目標を自分で立ててそれを社長と共有するのが実行計画というものになります。
ここで大事なのは、自分で計画を作るということです。他人に作ってもらうと数字が頭に入らず、右から左へと抜けていってしまうので、あくまで自分ひとりで計画を作成します。実行計画に限らず、普段の生活でもそうです。メモもせず口約束だけで済ませてしまうと、本気で取り組むことができなくなってしまいます。いつまでに完成させると自分の中で決め、紙に書いて実践することが大切です。その計画を社長はシビアに判断するからこそ、社員も本気で取り組みます。そのために、実行計画を作らせているのです。
このように実行計画を使って社員と社長で価値観を共有することで、面倒くさいことでも責任をもって最後まで取り組むことができるようになります。

 

 

クレームを隠したら罰則!?

ビジネス書などでよく見られる「悪いことほど報告しなければならない」の教え。
これは個人が仕事を進める上でも、社員として企業を支える上でも大事なこととされています。
会社に入っていたクレームを後から知った社長が、「なんでクレームを私に報告しないんだ!」と、声をあららげるのはある意味では仕方のないこと。しかし、そうして部下を叱責するばかりで自分を省みない社長がいるのだとしたら、その会社は危ないかもしれません。
社員にとってクレームは出来れば避けたい面倒くさいことです。

ここで復習すると、面倒くさいことをやらせるためには
・やらないと本人が困る仕組みにする
・お金で釣る
の二つが重要でしたよね。
では、クレームを報告させるにはどうしたらいいでしょうか。

答えは、
・クレームを報告しなかったことが発覚したらその人の賞与を減らす
・クレームを報告したら逆に手当を支給する
といったような制度を設ければ、全員がクレームを報告できるようになるでしょう。

面倒くさいことをできない社員を責めるよりも、社員がやらざるを得ないような仕組みづくりを心がけましょう。