ンプライアンスや行動規範は、企業においてどう行動すべきかを示した社内ルールです。この規則を遵守することは、自発的な自己責任のもとに行われます。
コンプライアンスや行動規範は、企業の社会的責任(CSR)の一環であり、企業が負うリスクへの対応となります。行動規範は従業員を指導し、望ましくない行為を防止することを目的としています。従業員は責任を持って、倫理的に正しく、誠実に行動することが期待されています。取引先や仕入先などの第三者にも適用されるため、会社の評判が損なわれることはないでしょう。

 

行動規範とは何か

企業は行動規範において、適用される法律、基準、法的リスクに注意を払っています。企業の行動規範の詳細は様々です。行動規範で取り上げられているテーマも大きく異なります。内容的には通常、次のような分野を扱っています。

  1. リーダーシップと社会的交流
  2. 第三者(取引先、仕入先、一般の方)との取引
  3. プレゼントや招待状の扱い
  4. 寄付金の配分と協賛の決定
  5. 情報(営業秘密・機密データ)の取り扱いについて
  6. グローバルな文脈での経済活動(人権・労働・社会基準)
  7. 自然に対する責任(環境保護、資源消費)

グローバルに活動する企業、特に発展途上国で事業を展開する企業は、国際協定を遵守することを約束しなければなりません。ほとんどの企業は国際機関のガイドラインに従っています。下記がその一例です。

  1. 国連世界人権宣言の原則
  2. 国連グローバル・コンパクト
  3. 多国籍企業のためのOECDガイドライン
  4. 国際労働機関(ILO)の中核的労働基準
  5. 国連児童の権利条約
  6. 国連女性差別撤廃条約

コロナ禍によるアジア系への差別、警察官と黒人男性の問題など、差別への問題が加速すると考えられます。

 

行動規範の原則

国連グローバル・コンパクトの原則は、基本的には、企業が独自の行動規範でも取り上げている最も一般的な分野を網羅しています。

  • 人権(世界人権宣言に基づく):人権の保護、人権侵害への加担の禁止
  • 労働(ILOの原則に沿った):結社の自由の保護、強制労働、児童労働、差別の廃止
  • 環境:生態系と責任ある行動を支持し、環境にやさしい技術を推進
  • 反汚職:恐喝や贈収賄を含むあらゆる形態の汚職を防止

大企業では行動規範を担当する部署は、企業の社会的責任(CSR)やコンプライアンスを担当する部署と同じです。労働組合がある場合は、行動規範の作成に関わり、運営にも関わってきます。行動規範の範囲は様々で、数ページのものから40ページを超えるものまであります。ほとんどの行動規範は、お互いの間や管理者の間で、そしてビジネスパートナー、サプライヤー、一般の人々などの第三者との間で、望ましい行動になるように記載されています。

A社の例:お互いの行動
A社の行動規範は、「オリエンテーションの枠組み」として意図されており、特に「誠実に行動するための特別な要件」に取り組まれています。また行動規範は、グループの価値観を理解していることを表現するという目的があります。特に管理職は、行動の要件に関してはロールモデルと考えられています。これについては「私たちを特別な存在にするもの」という見出しで記載されています。
A社はその行動規範の中で、「行動の要件の遵守」という見出しの下で、「不正行為や違反は制裁の対象となる」と指摘しています。また、違反を指摘する人も行動規範があることにより、負の結果を恐れずに済むはずです。そのような環境を作り支える「風土・文化」を作っています。

B社の例:第三者への対応
B社では行動規範の中で、ビジネスパートナーとの世界的な協力関係を構築するためのインテグリティ(誠実、真摯な対応)に関するガイドラインを定めています。これらは、以下のようなガイドラインです。

  1. 会計・報告の基準
  2. インサイダー取引の禁止
  3. 利益相反
  4. 公正な競争
  5. 贈収賄と汚職
  6. プレゼントと特典
  7. マネーロンダリング
  8. 貿易規制
  9. データ保護

C社の例:情報の取り扱いについて
メディア企業であるC社の行動規範は、その製品のためなど、同社に関連する法律や規制にも対応しています。
C社は情報や知的財産の取り扱いを重要視しており、この点も行動規範に記載されています。下記が一例です。

  1. ジャーナリズム報道の独立性
  2. 広告と編集内容の分離、誤解を招くような広告はありません。
  3. プライバシー、情報、意見、写真の取り扱い
  4. 知的財産の保護

D社の例:決定の手引き
D社の行動規範では、従業員が衝突の原因となる可能性のある意思決定を行う際に役立つ簡単なガイドラインやチェックリストを提供しています。疑問に思ったら、従業員はガイドラインやチェックリストを確認して進めるようにしています。

  1. 私の判断は合法的で倫理的に正しいのか、会社のビジョンや価値観、ルールに沿っているのか
  2. 会社の利益を考えて、他の利益から自由に判断してもいいのか
  3. 自分の良心で決断できるのか、第三者の精査に耐えられるのか、他の人の模範となるのか
  4. 自分の決断の潜在的なリスクを理解し、会社の良い評判は維持されるのか

 

いかがでしたでしょうか。
行動規範とは、企業における行動規範や行動規則をまとめたものです。本質的な価値観や基本的な信念が込められています。行動規範は、企業理念やビジョンに基づき、より具体的な指針や規定の基礎を形成しています。代表は羊牧場のオーナーです。部門長は羊飼いです。
マネージャーは牧羊犬です。従業員は羊です。羊は色々な方向を向いています。迷った時に正しい方向へ導くのは牧羊犬の役目で、牧羊犬に指示を出すのは羊飼いである部門長です。不測の事態に拠り所となるものの真価が発揮されるでしょう。