日本は2008年に人口のピークを迎え減少の一途をたどっており、少子高齢化が止まりません。
労働の現役世代である生産年齢人口(15〜64歳)の割合も減少しています。つまり、労働力の総数が減少し続けています。
そして、労働力が減少ほど企業の生産性が低下するのです。
2018年の6月に成立した働き方改革関連法、2016年に担当大臣が置かれてから日本全体で「働き方改革」が進められてきました。2020年4月から中小企業にも本格施行されます。

 

働き方改革で失われた『やりがい』

Great Place to Work(R)が行った調査データを2018年と2019年で比較したところ、『働きやすさ』のスコアが改善した企業は、低下した企業に比べて増加しており、労働環境に関する項目で改善が見られる企業は多いと言います。
それに対し『やりがい』に関するスコアは低下したと言います。
現在、働き方改革が加速する一方で、同時にやりがいが失われつつあるのです。
では『働きやすさ』と『やりがい』を共に実現する為にはどうすれば良いのでしょう?
そのためには、社員同士の人間関係が大切です。
経営・管理者層と従業員、従業員同士で十分なコミュニケーションが取れていること、また信頼関係を築けていることが必要となります。

変わるコミュニケーション手法

前述したコミュニケーションも時代の変化に合わせて変えていかなくてはいけません。
近年、女性やシニアなど、働く人のダイバーシティが進むと同時に、コミュニケーションの方法も見直す必要が出てきました。
全従業員の『働き甲斐』につなげる為には、従来の男性社員中心の施策や、飲みニケーションなどのコミュニケーション方法では実現できません。
経営者層が、「会社の方針やビジョンを明確化することで従業員に自社の方向性を伝える」「従業員がお互いを理解しあえる機会や仕組みを増やし、従業員間の価値観共有の取り組みを行う」など、
これまでとは異なった施策を実施する必要があります。
具体的には、社長と社員が気軽に会話や質問ができる時間を定期的に設けたり、業務で関わりのない社員同士でのチーム活動を実施するなど、従業員同士の関わりの場を強制的に作ることが効果的でしょう。
このような社内コミュニケーションは、従業員の働き甲斐に繋がるだけでなく、社員のスキルアップ、生産性の向上、企業ブランド向上にも一役買ってくれます。

 

働き方改革を成功させる為には?

働き方改革が失敗に終わる企業の共通点は、「働き方改革そのものが目的になっている」という点です。
働き方改革を目的としている企業は、在宅勤務制度や育児介護制度などの人事制度や、最新のITを導入します。しかし、それだけでは制度やツールの利用率は増加せず、浸透しません。
これが失敗企業の典型と言えるでしょう。
働く目的や企業価値、仕事の意義からさかのぼって、これらを実現するためには、こういう働き方が必要だという進め方でないと、働き方改革は成功しないのです。
何を達成するための「働きやすさ」なのか、従業員が「やりがい」をもって働く為にはどんな組織のあり方が必要なのか、いまこそ考えるべきときなのかもしれません。